47 町内の祭り









ベランダからの四季
「動かぬ雲」

今年は、順番制の自治会の役員を引き受けている。
普段の仕事は、広報副部長といういかめしい肩書きだが、 なんのことはない市などから廻ってくる回覧物を 各戸に配布する係である。

この町内にも、ご他聞にもれず夏祭りがある。
しかし、神社はない。戦後の住宅難を解消するために、 町営住宅建設から始まった町だから、当然のことではある。 恐らくお祭りも、新興住宅地の仲間意識向上のために、 行政の肝いりで始まったものだろうと思う。
町内は4つの丁目に分かれているが、ご丁寧にその丁目毎に神酒所を作り、 町内全体のそれも作り上げる。 町内全体の神輿と、各丁目毎の子供の山車と神輿が出る。

だから相当大勢の人が、祭りの準備と担ぎ手・引き手に狩り出される。
町内の神輿は祭り好きの保存会の人中心でやるのだが、とても人手は足りないので、 こちらも各丁目から担ぎ手が出る。
大変なのは、神酒所作りだ。集まっている男手は、皆結構な年だ。私より年配の方もいる。 重い鉄製の台作りは、日頃力仕事に慣れていない身にはこたえる。
その作り方もよく分かっている人はもう町内におらず、他の町内に移ったベテランに 来て頂いて指導してもらっている。 まして、台の屋根作りなどは、そのベテランの人ぐらいしか登ってやれない。

この自治会も既に加入率は、5割程度らしい。自治会に入っている若い人がいないわけではないが、 圧倒的に多いのは年配者だ。
このような状況の中で、長年お祭りをやってきた長老の方々は、とにかく昔どおりにやることを 主張し、神酒所の作り方もこまめに記録を取っている。
しかし、住民の意識も変化し、年配者も増えた中で、このような祭りをどうするのか 再考すべきときなのではないだろうかと思う。
少なくとも、老人でも簡単に準備ができるように、工夫改善していかないと駄目だろう。

というような感想を持ったのだが、今年度の役目が終わればもう死ぬまで廻ってこないだろうから、 自分が積極的に言う話ではないなと思っている自分がいる。
この町内への思いは、所詮その程度なのだ。 全く申し訳ないと思う。
そして、私のような意識レベルの住民が恐らく半分以上いるだろうと思うと、 地域活性化は真に困難な社会になったなと思わざるを得ない。
                                   

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