45 ピンボケ研究3









ベランダからの四季
「雲に浮く大山」

もう一つピンボケ研究がある。
つい先日、やはりテレビで、長寿化する遺伝因子が見つかったと報道していた。 100歳を超える人達と、20代の人達との遺伝子を比べて、特定したそうである。 この研究が進めば、1割くらい長寿化できるようになるのではないかという。
これがおかしな研究だと思う。
少しずつ衰えていき体力線が地を這うようになって、80歳が88歳まで 生きたとしても何にもならない。 それより70歳でいいから、20代の体力がそのまま続いて、70歳でぽっくり 死ねるのが良いと皆思っているからだ。
70歳でも20代の体力を維持している(そのような人がいないかも知れないが)人を 調べて、遺伝因子を探した方がいいのではと思う。

自分のこともあり、この間から沢山の肝炎に関する本を読んだ。
そこで知ったことだが、最近は肝硬変ではなかなか死なないようだ。 今までは肝硬変になると生じていた食道動脈溜破裂なども、その前に切り取ることが できるようになったかららしい。 水原弘や石原裕次郎のような壮絶な死に方は、なくなったようである。
しかし、これも肝硬変が治るわけではなく、いずれ肝がんや肝不全になって 死ぬということであるから、中途半端に治療する技術だけが進歩しているという ことだ。
その間本人も家族も長く苦しむことになるわけであり、中途半端な医療研究もやはりピンボケ 研究の一つだと思う。

自分が研究者だったので、どんな小さなことも他人より先んじて発見したり 作ったりすることが、とにかく面白いと思う気持はよく分かる。 だから下手すると、どうしても森を見ず木を見ることになってしまうのだ。
しかし、これからの研究者は、是非とも人間社会に役立つ森を見た研究を 行って欲しいと思う。
                                  

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